理念

人と環境を想いあえる暮らしをつくる

小麦粉やライ麦粉それ自体はただの粉ですが、そこに塩や砂糖、油脂、酵母等々、掛け合わせる素材や製法によって様々なパンに生まれ変わります。

それがパンの面白さのひとつです。


そして素材が動物性であろうと植物性であろうと、

生きている命や生産者の方々に感謝して自然の恵みをいただくことに変わりはありません。


たとえば最近、海洋汚染問題に紐づいてプラスチックの「有害性」までも注目され、

プラスチックフリーが叫ばれるようになりました。

日本でも国として2020年よりレジ袋が有料化になりました。

その取り組み自体はプラスチックごみ削減につながる大きな前進だと思います。

くまのごちそうでも、包装の簡易化を推進させていただきます。


しかし重要なのは、レジ袋それ自体が「悪」ではないし、レジ袋「だけ」が「悪」でもありません。

レジ袋をつくる会社やそれを売る仕事をしている人々もまた然りです。

プラスチックだけがだめ、紙なら良い、という二者択一でもありません。

プラスチック梱包によって衛生面で助けられている部分は多くあります。

(もちろん使わないに越したことはないのですが)

これはたとえの話です。

つまり、誇りを持って仕事に従事する方々の尊厳を傷つけたり、

特定の業種「だけ」をやり玉にあげるとしたら、それは違うと思うのです。


これに限らず、私たちは多くの生産者に支えられ、何かを消費し助けあいながら生きています。

考えうるべき様々な社会の問題について、本質とは何かを見極める必要があります。


ですから、素材の何だけが悪い、何を排除する、ではなく、

「何を活かせるか」を考えながら選択し、

持続可能な社会について、できる限り、できることを、無理なく、実践していけたらと思います。


人と環境を「想いあう」という理念には、そのような思いが込められています。

このような基準の下、小さな工房でパンをひたむきに作っています。